あなたの会社のITはだいじょうぶですか...ひとり情シスが機能する条件
「ひとり情報システム」とか「ひとり情シス」という言葉をきいたことがあるでしょうか。
2010年代に入りIT系のメディアで中小企業のIT担当者が孤軍奮闘する様子を特集でとりあげるようになりだんだん知られるようになった。別名ボッチIT。
一人ではなく「ひとり」と表記するのがなんともIT担当者の孤独感とおかれた状況を物語っています。
ちょっと古い(2012年)データですが、ソフトバンククループの行ったアンケート調査だと従業員100人未満の企業の情報システム(以下IT)担当者のスタッフ数は8割が1人か2人、しかも6割が総務や営業などと兼務だ。しかもこの傾向強まっています。
意外なのはITを営業が兼務している割合が多いこと。やはり小企業の社内ITは顧客管理や在庫などプロフィットにかかわる比重が高いからでしょう。
ひとりでも会社のITニーズを満たせ本人もストレスなく仕事ができていればいいのですが大半の場合そんなわけはありません。まわりからもITは動いてあたりまえくらいの意識があるので感謝される機会もすくないのです。PCの管理や最近の社員勝手クラウド、サーバー管理(減ってきてはいるが)、ネットワーク、クラウドサービスさらには最近ますます重要になっているAPIの管理などなどむしろ仕事の幅は広がっているのにです。
「おい、ITさんこれ早く直してよ!」とつい声が大きくなりそうな場面もありますよね。
昨年はこの課題、情報処理学会でも発表としてとりあげられたくらいです。(「持続可能な情報システム部門のひとり運営」 黒田 光洋 2016)
筆者も会社員時代(ずっとIT企業勤務)や現在のクライアントさまの様子を見てきましたがやり方によってはと解決の道筋はありそうで概ね次のようなものではないか思えてきました。
- ひとり情シスとはいえひとりよがりはだめ。ちゃんとした指南役、困った!の際のバックエンドとなってくれる「尋ね先」を確保すること
- コミュニティの力を使う。訊ける仲間、情報共有サイトのフル活用。さすがにひとり情シス大国?の日本、それぞれの分野や課題でコミュニティは機能している。とにかく自分でなんでもやる前に訊く・調べる・聴く。大事なことは自分も情報発信しないと得られる情報も限られるということ。
- 必要とされるスキルセットの変化を理解し、コミュニティやアウトソース活用とその管理に集中する。なんでも自分で手を動かすということの中身が変化していることを自覚し自己犠牲と自己満足(これ意外と多い)から抜け出す。
最近では上記のようなことをワンストップで提供するサービスも登場しています。営業の成功の秘訣のひとつはデータ活用。足元のITインフラもしっかりさせたいです。